近年、発酵食品や腸内環境の改善が注目される中、「糀(こうじ)」の人気も高まっています。特に免疫力向上や腸内環境の改善、美容効果などが期待されており、糀を使った甘酒や味噌、塩糀、醤油糀などの発酵調味料も広く親しまれています。
本記事では、日本の伝統的な発酵食品であり、スーパーフードとしても世界的な注目を集めている糀の魅力や効果をご紹介します。
糀の産地・由来
糀の起源は紀元前の中国にあるとされています。日本では、弥生時代から古墳時代にかけて糀の利用が広まり、米作りと一緒に伝わったと考えられています。奈良時代には、糀を使った酒作りが記録に残っており、「播磨国風土記」にもその記述があります。これは、日本での糀使用の最も古い記録として知られています。
今でも糀は日本をはじめ、韓国やインドネシアなどの東アジアで使用され、発酵食品の製造に欠かせない存在になっています。
糀の栄養素と美容・健康効果
腸内環境の改善
糀に含まれる30種類以上の酵素が腸内の善玉菌を増やし、消化を助けます。これにより、便秘解消や肌トラブル改善が期待できます。
美肌効果
糀の発酵過程で生まれるアミノ酸は、肌の潤いを保つ働きがあります。また、糀菌が作り出すコウジ酸には美白作用があり、肌を明るく見せる効果も期待できます。
抗酸化作用
糀には、老化や病気の原因となる活性酸素を抑える働きがあり、シワやたるみの予防に役立ちます。
疲労回復
ブドウ糖、ビタミンB1、アミノ酸が豊富に含まれており、これらの成分がエネルギー代謝を促進し、疲労を軽減します。
糀のおすすめの食べ方・飲み方
糀は調味料や甘酒にすることで日常的に取り入れやすくなります。
- 塩糀:肉や魚の下味に使うと旨味が増し柔らかくなる
- 醤油糀:醤油代わりに使うと料理のコクが増す
- 味噌:味噌汁や炒め物、ドレッシングにも使える万能調味料
- 甘酒:「飲む点滴」とも呼ばれ豊富な栄養素を含む
その他にも、ヨーグルトやスムージーに加えて腸活を促進する、漬け床として使い野菜の旨味を引き出す、お菓子作りに活用しヘルシーなスイーツを作るなど、幅広い用途があります。
糀を使った簡単レシピ2選
塩糀の鶏ハム
材料(2人分)
・鶏むね肉…1枚
・塩糀…大さじ2
<作り方>
①鶏むね肉をフォークで数か所刺し、塩糀をまぶして一晩冷蔵庫で漬ける。
②耐熱袋に入れて空気を抜き、70℃のお湯で30分湯煎する。
③冷ましてからスライスして完成。
甘酒バナナスムージー
材料(1人分)
・甘酒…100ml
・バナナ…1本
・豆乳(または牛乳)…100ml
<作り方>
①材料をすべてミキサーに入れて撹拌する。
②グラスに注いで完成。
糀の食用以外で活用法
糀は美容効果が高く、化粧品やサプリメントにも活用されています。
例えば、化粧水・美容液・乳液の機能を兼ね備えた多機能クリームや、手指を清潔に保ちながら潤いを与えるアルコールジェルなど、糀の酵素や栄養成分を活かしたスキンケア製品が増えています。
糀を摂取する際の注意点
過剰摂取に注意
発酵食品のため、摂りすぎると腸がゆるくなることがあります。また、糀製品には糖分が含まれることがあるため、糖尿病の方は摂取量に注意が必要です。
アレルギーに注意
米糀や麦糀にはアレルギー反応を示す人もいます。初めて食べる際は少量から試してください。
保存方法を守る
糀製品は温度や湿度の影響を受けやすいため、適切に保存しましょう。カビが発生したり、不快な臭いがしたり、異常な酸味や苦味を感じたりする場合は食べないようにしてください。
まとめ
糀は日本の伝統食品でありながら、現代の健康志向にもマッチするスーパーフードです。日々の食生活に取り入れることで、腸内環境の改善、美肌効果、疲労回復など、多くのメリットが期待できます。甘酒や塩糀など、さまざまな形で手軽に摂取できるので、ぜひ試してみてください。