日本の伝統的な食材「葛(くず)」は、その優れた栄養価や健康効果から、近年スーパーフードとして再注目されています。葛粉を使った料理やドリンクだけでなく、美容やリラックス効果を期待してスキンケアや入浴剤としても活用されることも増えています。
本記事では、葛の歴史や健康・美容効果、そして日常生活への取り入れ方をご紹介します。
葛の産地・由来
葛は、日本や中国をはじめとする東アジアに自生するマメ科の植物で、根からとれるデンプンを精製して作られる「葛粉」が有名です。
日本では、奈良県や和歌山県、福岡県などが主な産地とされており、吉野地方(奈良県)の「吉野本葛」は最高級品として知られています。
古くから漢方や薬膳料理にも用いられ、「葛根湯(かっこんとう)」の主成分としてもおなじみ。解熱作用や胃腸の調子を整える効果が期待され、体調管理に役立つとされています。
葛が注目される理由
最近、葛がスーパーフードとして再び脚光を浴びている理由は、以下のような健康・美容効果が期待できるためです。
- グルテンフリーで消化にやさしい
- 腸内環境を整えるデンプンが豊富
- 体を温める作用がある
- ストレスを和らげるリラックス効果がある
特に、腸活や温活を意識する人々の間で、葛湯や葛粉を使ったレシピが人気となっています。また、自然由来の美容アイテムとして、葛粉をスキンケアに取り入れる人も増えています。
葛の栄養素と美容・健康効果
腸内環境を整える
葛には「サポニン」が含まれており、腸内の血流を促進しながら、腸の中をきれいにする働きがあります。特に、腸壁に付着した宿便を剥がし、腸内環境を整える作用が期待されます。腸内環境が整うことで、便秘の改善や肌荒れ予防にもつながり、美肌効果も期待できます。
冷え性・血流改善
葛には体を温める作用があり、特に寒い季節に葛湯を飲むとポカポカと温まります。血流を促進することで、肩こりや冷え性の改善にも役立ちます。
抗酸化作用&美肌効果
葛にはポリフェノールの一種である「イソフラボン」が含まれており、アンチエイジングや肌のハリ・ツヤを保つサポートをしてくれます。
リラックス&自律神経を整える
葛に含まれるイソフラボンには、ストレス緩和やホルモンバランスを整える働きがあるといわれています。葛湯を飲むことで、心を落ち着ける効果が期待できます。
葛のおすすめの食べ方・飲み方
葛はさまざまな形で摂取できますが、代表的なものは以下の通りです。
- 葛湯(お湯で溶かしてとろみをつけたドリンク)
- 葛餅(もちもちとした食感の和菓子)
- 葛粉を使ったスープやとろみ料理(おかゆ、シチューなど)
特に葛湯は、寒い季節や体調を崩したときにぴったり。砂糖やはちみつを加えて甘くしたり、生姜を入れて温活効果を高めるのもおすすめです。
葛湯のレシピ
<材料>
- 葛粉 … 大さじ1
- 水 … 150ml
- はちみつ … 小さじ1(お好みで)
- 生姜(すりおろし)… 少々(お好みで)
<作り方>
- 鍋に水と葛粉を入れ、よくかき混ぜる。
- 弱火で加熱しながら、透明になるまでかき混ぜ続ける(約3分)。
- お好みではちみつや生姜を加えて完成。
葛の食用以外の活用法
スキンケア
葛粉大さじ1を水やぬるま湯に溶かして顔全体に塗り、5〜10分放置してから洗い流します。くすみが気になる方や、しっとり肌を目指したい方におすすめです。
葛風呂
布袋に葛粉を入れてお風呂に入れると、お湯がとろっとして保湿効果がアップ。乾燥肌対策にぴったりです。
葛を摂取する際の注意点
摂取量に注意
葛粉は糖質であるデンプンが主成分なので、食べ過ぎると肥満や糖尿病のリスクを高める可能性があります。適量を意識しましょう。
本葛と混ぜ物に注意
市販の葛粉の中には、馬鈴薯(じゃがいも)デンプンなどが混ざった「葛粉風」のものもあります。本葛100%のものを選ぶと、より高い効果が期待できます。
まとめ
葛は、腸活や温活、美容に嬉しい効果が期待できる、日本の伝統的な食材です。葛湯や葛餅として手軽に取り入れたり、スキンケアやお風呂に活用することで、健康的なライフスタイルをサポートしてくれます。ぜひ、日々の暮らしに葛を取り入れて内側からキレイで元気な身体を目指しましょう!