甘酒の材料としてもおなじみの「酒粕(さけかす)」は、日本の伝統的な発酵食品の中でも特に栄養価が高く、スーパーフードともいえる存在です。
酒粕には、腸内環境を整え美肌をサポートし、健康維持に役立つ栄養がたっぷり含まれています。料理やスイーツだけでなく、美容やスキンケアにも活用されるなど、その魅力が再注目されています。
本記事では、酒粕の由来や健康・美容効果、そして日常生活に取り入れる方法についてご紹介します。
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そもそも酒粕とは?
酒粕は、日本酒の仕込みで発酵が進んだもろみを搾った後に残る固形物です。発酵の過程で生まれた豊富な栄養素が詰まっています。
酒粕には以下の2種類があります。
板粕
圧搾後に板状に成形されたもので、保存性が高く長期保存に適しています。
練り粕
水分を多く含むペースト状のもので、料理やスイーツ作りに使いやすいのが特徴です。
酒粕の由来
酒粕の歴史は古く、奈良時代にはすでに日本酒の製造が行われていた記録があり、酒粕もその副産物として利用されていました。
江戸時代には、保存食や調味料として広く使われるようになり、健康食品としての価値も認識されていました。
酒粕の栄養素と健康・美容効果
腸内環境を整える
酒粕には食物繊維や発酵によって生まれた有機酸が含まれ、腸内の善玉菌を増やす効果があります。これにより、便秘解消や腸内フローラの改善が期待できます。
美肌効果
酒粕には、メラニンの生成を抑え美白効果が期待できる「コウジ酸」や、肌のターンオーバーを促進しハリ・ツヤをアップする「アミノ酸」、皮膚の健康を維持し肌荒れを防ぐ「ビタミンB群」が豊富に含まれています。
免疫力アップ
発酵食品である酒粕には、腸内環境を改善することで免疫力を高める働きが期待されています。特に、冬場の風邪予防や体調管理に役立ちます。
ダイエットサポート
酒粕に含まれるレジスタントプロテインは、脂質の吸収を抑え、排出を促進する働きがあります。食事と一緒に適量摂取することで、無理なくダイエットのサポートが可能です。
生活習慣病予防
酒粕には、血圧を調整するペプチドや抗酸化作用のある成分が含まれています。これにより、高血圧や動脈硬化の予防にも効果が期待されています。
酒粕のおすすめの食べ方&レシピ
酒粕甘酒
<材料(1人分)>
・酒粕…30g
・水…150ml
・砂糖(またはハチミツ)…大さじ1
・生姜(すりおろし)…適量
<作り方>
①小鍋に酒粕と水を入れ、中火で加熱しながら溶かす。
②砂糖を加えて混ぜ、最後に生姜を加えて完成。
酒粕味噌汁
普段の味噌汁に小さじ1杯の酒粕を加えるだけで、コクが増して栄養価もアップします。
酒粕漬け
魚や肉を酒粕と味噌で漬け込むことで、旨味が凝縮され、柔らかくなります。
酒粕スムージー
バナナやヨーグルトと混ぜると、飲みやすく栄養価の高いスムージーになります。腸活にもおすすめです。
酒粕を使ったスキンケア
酒粕は食べるだけでなく、スキンケアにも活用できます。
酒粕パック
酒粕大さじ2に、少量の水またはヨーグルトを加え、ペースト状にします。洗顔後の肌に塗り、10分ほど置いてから洗い流すだけで、肌がしっとりし透明感がアップ。
酒粕風呂
お風呂に酒粕を入れると、保湿効果が高まり、肌がしっとりします。乾燥が気になる季節におすすめです。
酒粕を摂取する際の注意点
アルコールに注意
酒粕には微量のアルコールが含まれるため、お酒に弱い方や妊娠中の方は加熱してから摂取しましょう。
摂りすぎに注意
発酵食品なので、1日50g程度を目安にすると胃腸への負担を抑えられます。
保存方法に注意
冷蔵庫で保存し、長期間保存する場合は冷凍も可能です。
まとめ
酒粕は、日本の伝統的な発酵食品であり、腸活・美肌・健康維持に役立つスーパーフードです。日々の食事やスキンケアに取り入れることで、その恩恵を手軽に受けることができます。甘酒やスムージー、味噌汁など、さまざまな方法で楽しみながら、健康的な生活を手に入れましょう。