腸活って何をすればいいの? ~善玉菌と悪玉菌のバランス改善~

腸活って何をすればいいの? ~善玉菌と悪玉菌のバランス改善~

はじめに

私たちの腸は、善玉菌と悪玉菌の調和により健康が維持されます。この記事では、腸活の基本知識から効果的な方法までを解説し、善玉菌と悪玉菌のバランス改善がもたらす健康効果について詳しく紹介します。テレビやYouTube、Instagramなどには多種多様な健康づくりの方法が溢れていますが、「腸活」は手軽でしかもその効果は絶大!この記事を読んだら、ぜひ試してみてくださいね。

腸内フローラって何?

腸内細菌の役割

私たちの腸内には、約1,000種類、100兆個以上もの細菌が生息していると言われています。それらたくさんの細菌の密集している様子がお花畑(〔英〕flora)のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。腸内フローラは、私たちの健康にとても大きな影響を与えており、免疫力の向上、消化吸収の促進、ビタミンづくり、有害物質の解毒など、さまざまな役割を担ってくれています。

善玉菌と悪玉菌のバランス

善玉菌と悪玉菌

腸内の細菌は、その働きによって大きく3つのグループに分けられます。善玉菌、悪玉菌、そして日和見菌です。「善玉菌」ってなんとなく聞いたことがあるのでは? その正体は一体何なのでしょうか。

①善玉菌

乳酸菌やビフィズス菌などがあり、腸内環境を整え、健康に良い影響を与える働きをします。善玉菌の多い腸内は健康であると言えます。あなたのお腹はどうですか?

②悪玉菌

腸内環境を悪化させ、様々な病気のリスクを高める働きをします。脂質が中心の偏った食生活、ストレス、便秘などが原因で増加します。便秘、下痢、悪臭、大腸がんのリスクを高めるなど、まったくいいところのない細菌です。

③日和見菌

善玉菌でも悪玉菌でもなく、腸内環境によって働きが変わります。善玉菌優勢の健康的な腸内では善玉菌と同様に働き、悪玉菌優勢の腸内環境では悪玉菌と同様に働く、いわば「どっちつかず」の菌です。つまり、日和見菌が腸内環境のバランスを左右するのです。善玉菌を増やすことで、日和見菌を善玉菌の味方につけることが大事なのですね。

腸内フローラのバランスが崩れる原因

不適切な食生活

もちろん食生活は、腸内フローラに大きな影響を与えます。加工食品や甘いものを多く摂取したり、食物繊維が不足したりすると、悪玉菌が増殖しやすくなります。バランスの取れた食事を心がけ、食物繊維を豊富に含む野菜や果物を積極的に摂取しましょう

ストレス

学校や仕事で嫌なことがあったとき、お腹が痛くなったり、お腹を下したりすることがありませんか? ストレスは、腸内環境に悪影響を及ぼすことが知られています。ストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、食べたものを肛門の方へ移動させる力が低下したり、腸内細菌のバランスが崩れたりすることがあります。また、ストレスによって免疫力が低下し、腸内環境が悪化しやすくなることもあります。ストレスをためないよう、適切なストレス解消方法を見つけることが大切です。

抗生物質の使用

抗生物質は、細菌感染症の治療に有効な薬ですが、悪玉菌だけでなく、善玉菌も殺してしまいます。使い方を間違えると、敵味方関係なく襲いかかるバーサーカーみたいなもの。それによって腸内フローラのバランスが崩れることがあります。抗生物質の使用は、医師の指示に従い、必要最低限にとどめることが大切です。

腸内フローラを整える食生活

とはいえ、お肉もお菓子も食べたいし、仕事や満員電車のストレスはすごいし……。「悪玉菌ばっかり増えていくよ(泣)」という方はたくさんいらっしゃるでしょう。少しでも腸内環境を改善するために、以下の3つを接種するように心がけましょう。各メーカーがサプリメントを出しているので、食事にそれを追加するだけでも効果的!

  • 善玉菌を含む食品
  • 食物繊維
  • オリゴ糖

善玉菌を含む食品

ヨーグルト、キムチ、納豆、味噌、漬物などの発酵食品には、善玉菌である乳酸菌が豊富に含まれています。「乳酸菌 シロタ株」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。この乳酸菌は、腸内環境を改善するだけでなく、ストレスを和らげたり睡眠の質を高めたりするという研究結果も出ています。筆者も「乳酸菌 シロタ株」を含む乳酸菌飲料を3年以上飲み続けていますが、このような手軽な方法で善玉菌を増やすことができれば最高ですよね。

食物繊維

食物繊維は、善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えるのに役立ちます。野菜、海藻、きのこ、穀物など、食物繊維を豊富に含む食品を意識して摂取しましょう。毎日適量の野菜を食べるのが難しければ、粉末の食物繊維を飲み物や味噌汁などに溶かすとお手軽です。「飲み物がまずくなりそう」と思いませんか? 今、飲食物に混ぜても味が変わらない製品も出ていますよ。

オリゴ糖

オリゴ糖は糖の一種で、胃で消化されず大腸まで届きます。オリゴ糖は善玉菌であるビフィズス菌と相性がよく、お腹の中でビフィズス菌を増やしてくれることがわかっています。それが発見されたのは、なんと赤ちゃんとお母さんのおかげ。母乳を飲む赤ちゃんは、粉ミルクを飲む赤ちゃんよりお腹の調子がよいことがわかり、母乳を調べると特殊なオリゴ糖が含まれていたそうです。
赤ちゃん以外の皆さんは、オリゴ糖を乳製品、果物、野菜などから接種しましょう。みりん、味噌などの調味料や、にんにく、ごぼう、玉ねぎなどの野菜、はちみつなどに多く含まれています。

腸内フローラをサポートするサプリメント

プロバイオティクス

プロバイオティクス(probiotics)とは、「十分な量を摂取したときに、人体によい効果を与える、生きた微生物」のことで、抗生物質(antibiotics)の反対です。「共生」を意味するprobiosis(pro:ともに/biosis:生きる)を由来とし、その名のとおり、人体で共に生きる微生物なのです。プロバイオティクスを含む食品やサプリメントを摂取すると、善玉菌を腸内に直接補給ができます。プロバイオティクスには、乳酸菌、ビフィズス菌、酵母菌などの種類があり、どれもお腹の調子を整えてくれます。

プロバイオティクスを含む食品

ヨーグルト、キムチ、納豆、味噌、漬物など

プレバイオティクス

プレバイオティクス(prebiotics)は、菌そのものの効果によって腸内環境を整えるものではなく、腸内細菌のエサとなる食品成分のことです。プロバイオティクスに名前が似ていますが、「pre(前に)」であるところが重要。菌が働く「前に」、その菌の働きを支えるのです。プレバイオティクスも胃で消化されずに大腸まで届き、腸内細菌のバランスを整え、善玉菌の増殖を促進します。プレバイオティクスには、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などの種類があります。

プレバイオティクスを含む食品

リンゴ、バナナ、キャベツ、玉ねぎ、ブロッコリー、さつまいも、海藻、きのこ、豆類、はちみつなど

さらに、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を摂取することで、2つの相乗効果が期待できます。

まとめ

腸内フローラは、私たちの健康に重要な役割を担っています。腸内環境を整えるためには、ストレスの解消、バランスのとれた食事、善玉菌を含む食品やサプリメントの摂取が効果的です。腸活に興味をもったら、家族や友達と一緒に始めてみましょう!

-コラム, 腸活・菌活