プロテインの効果とその科学的根拠

プロテインの効果とその科学的根拠

プロテインの効果とその科学的根拠

1. 筋肉の成長とリカバリー

プロテインは、筋肉の成長と修復に不可欠です。なぜなら、たんぱく質が豊富に含まれているからです。プロテインに含まれるたんぱく質は、おもにホエイ・カゼイン・ソイの3種類です。 とくに牛乳由来のホエイプロテインは吸収速度が速く、トレーニング直後の筋肉修復に効果的です。その中でも、糖質や脂質のないホエイプロテインアイソレート(WPI)は、低カロリーでたんぱく質をとても多く含みます。しかも乳糖を含まないので、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう「乳糖不耐症」の方でも安心です。また、ホエイプロテインに含まれる必須アミノ酸「BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)」は、筋たんぱく質の合成を促進し、筋肉のリカバリーをサポートします。 同じく牛乳由来のカゼインプロテインは、緩やかに吸収されます。就寝中に持続的にアミノ酸を供給し、そのアミノ酸がたんぱく質のもととなって筋肉の分解を抑制します。 ソイプロテインは、牛乳ではなく大豆からたんぱく質を取り出します。カゼインプロテインと同じくゆっくりと体内に吸収され、コレステロールを含まずヘルシーなのが特徴です。

2. ダイエット・体脂肪減少のサポート

プロテインは、筋トレをする人だけが飲むものではありません。満腹感を持続させ、過剰な食欲を抑える効果もあるので、ダイエットにも向いています。とくにソイプロテインは、イソフラボンのエストロゲン(女性ホルモン)作用により、ホルモンバランスをサポートします。さらに、豊富な食物繊維が消化吸収を助けるため、腸内環境にもよい影響を与えます。イソフラボンによる便秘解消、脂肪燃焼効果がダイエットの味方になるでしょう。 また、同じく消化がゆっくりのカゼインプロテインは、長時間の満腹感を得られるため、ダイエット時の間食としてもおすすめです。

3. 免疫力向上と病気予防

ホエイプロテインには必須アミノ酸「BCAA」が含まれていると解説しましたが、いずれのプロテインにも必須アミノ酸は含まれています。必須アミノ酸には、体内でつくれるものと、食品やサプリメントからしか摂取できないものがあります。プロテインに含まれる必須アミノ酸「EAA」には、筋肉の合成・修復だけでなく、免疫力向上も期待できます。コロナ禍で「免疫」という言葉をよく耳にしたと思いますが、病気から体を守る「免疫細胞」は、実はたんぱく質からできています。つまり、そのたんぱく質をつくるアミノ酸「EAA」を摂取すると、病気予防にもなるのです。 また、ホエイプロテインは抗酸化作用を持つグルタチオンの生成を促進し、それもまた病気予防に役立ちます。これにより、風邪や感染症にかかりにくくなる効果が期待できます。

4. 美容・美肌への影響

プロテインは、コラーゲン生成に関わるアミノ酸を提供し、肌の健康を保ちます。更年期世代になって女性ホルモンが減ると、シミやシワ、更年期障害の原因になります。ソイプロテインに含まれるイソフラボンは、肌の弾力を保ち、シミやシワの予防に役立ちます。また、たんぱく質は身体をつくるもとであることから、髪や爪をきれいに維持するためにも不可欠です。ホエイプロテインやカゼインプロテインは、髪や爪の強化にも効果的で、美容や健康全般によい影響を与えます。

それぞれのプロテインの特徴

プロテインの種類により、いくつかの違いがあることがわかりました。プロテインを選ぶ際に「自分にはどれが合うのか?」と考えてみましょう。

ホエイ カゼイン ソイ
原料 牛乳 牛乳 大豆
吸収速度 はやい おそい おそい
腹もち 悪い よい よい
こんな方におすすめ 筋肉を増やしたい
筋トレをしている
肌をきれいにしたい
病気を予防したい
乳糖不耐症(WPIのみ)
筋肉を増やしたい
置き換えダイエットがしたい
肌をきれいにしたい
寝る前に飲みたい
痛風を予防したい
筋肉を増やしたい
置き換えダイエットがしたい
肌をきれいにしたい
乳糖不耐症
低価格がよい

まとめ

プロテインは、筋肉の成長やリカバリーだけでなく、ダイエット、免疫力向上、美容面でもよい効果をもたらします。筋トレの効果を重視するならホエイ置き換えダイエットをしてみたいならカゼインソイなど、目的に応じて最適なものを選び、食生活に取り入れましょう。

-コラム, プロテイン