プロテイン摂取の注意点とリスク管理
1. 過剰摂取による健康リスク
プロテインには、健康によい栄養素がたくさん含まれています。しかしその分、
過剰に摂取すると、身体に負担がかかります。とくに、腎臓や肝臓に問題のある方は、たんぱく質を摂りすぎてはいけません。プロテインを飲み始める前に、医師に相談してみましょう。また、プロテインのちょうどよい摂取量は、体重や活動量によって異なります。一般的には、体重60kgの方で一日あたり
72〜120g程度(体重1kgに対してプロテイン1.2~2.0g)が推奨されています。
2. アレルギーや消化不良のリスク
乳アレルギーの方は、乳由来のホエイプロテインやカゼインプロテイン以外のものを選びましょう。アレルギーでなくても、乳糖不耐症の方やおなかを壊しやすい方もご注意ください。どうしても
動物性のプロテインがいいのであれば、乳糖がほとんど入っていない
WPI(ホエイプロテイン・アイソレート)や、
エッグプロテインを選びましょう。また、大豆アレルギーの方は、ソイプロテイン以外のものを選びましょう。アレルギーのリスクを避けるためには、成分表をよく確認することが大切です。
アレルギー物質が気になる方は、えんどう豆由来の
ピープロテインや、お米からできている
ライスプロテインをお試しください。
3. バランスのとれた食事とプロテイン
プロテインはあくまで栄養補助食品です。「
プロテインを飲んでいればOK!」ではなく、ふだんの食事から摂る栄養素とバランスをとることが必要です。
プロテインだけに頼ると、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足します。それらは野菜や果物からとるようにしましょう。また、プロテインを摂取しすぎると、たんぱく質が余ってしまいます。これは脂肪として体内に溜まっていき、かえって
体重増加につながります。何事も、多すぎても少なすぎてもいけませんね。
4. 添加物や人工甘味料に注意
市販のプロテイン製品には、
人工甘味料や
添加物が含まれていることがあります。これらは、甘くて飲みやすい味になったり長期間保存できたりして、とても便利です。しかし、摂取し続けると身体によくありません。腸内環境に影響を与えるので、
下痢や便秘の原因にもなります。腸内環境が悪いと、体調だけでなく肌などにもよくありません。
自分の体質や好みに合った製品を選びつつ、添加物にも注意できるといいですね。ナチュラルな成分を求めるとどうしても値段が高くなってしまうので、成分と価格のバランスを見極めましょう。
5. 依存と過信に注意
プロテインはたしかに便利な栄養源ですが、依存しすぎてはいけません。栄養は、ふだんの食事からバランスよく摂ることが基本です。プロテインはあくまで
補助的な役割ですので、「筋トレしたから、たんぱく質をたくさん摂りたい」「今日はたんぱく質をあまり摂れなかったな」というときに飲むとよいでしょう。また、もちろんプロテインだけで健康や体型が改善されるわけではありません。
プロテインだけ飲んでいるのは、むしろ不健康です。プロテインを摂取すると同時に、
適度な運動や生活習慣の見直しも行ってくださいね。
6. 特定のライフステージでの注意点
子どもや高齢者、妊娠中の女性がプロテインを摂取する際は、とくに慎重になりましょう。
子どもの成長期には、たくさんのたんぱく質が必要です。では、たくさんプロテインを飲めばいいのかというと、そういうわけではありません。大人と同じく、
過剰摂取は栄養が偏ったり、余ったたんぱく質が脂肪に変わったりして
逆効果です。また
高齢者には、カゼインプロテインのように、
ゆっくりと吸収できるタイプが適しています。ただし、吸収に時間のかかるものは、その分体内に長くとどまります。そのため、腎臓・肝臓などの機能が低下している方は注意してください。高齢者向けのプロテイン製品もあるので、身体に無理のないものを選びましょう。
妊娠中や授乳中の女性は、子どもの健康のためにも、
添加物や人工甘味料が少ないものをおすすめします。
まとめ
プロテインは
気軽にたんぱく質を摂取でき、とても便利です。
筋肉の増強や美容面にも効果があるので、ついたくさん飲んでしまうかもしれません。しかし、プロテインは普段の食事の栄養面を補助するものです。そればかりを飲み続けると、栄養バランスが崩れてしまいます。また、食物アレルギーの方や高齢者、妊娠・授乳中の方などは、とくに気をつけて製品を選ぶ必要があります。健康のために飲むプロテインで身体を壊さないように、
自分に合う製品を吟味し、正しい飲み方を心がけましょう。